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ストレスとは

【ストレスとは】

 

現代社会はストレス社会と言われます。総理府の調査によると、「精神的疲労やストレスを感じている」と答えた人は全体の55%と過半数を超え、とくに多いのが20代後半の女性で、70%を超えています。仕事のストレスや健康のストレス、人間関係のストレスなど、数え上げたらきりがありません。また、ストレスは大人だけが感じているわけではなく、子どもも感じています。学校の成績、友人関係、親からの過剰な期待など、想像以上に多くのストレスをかかえています。

 

そもそもストレスとは、直訳すると「警告反応」と訳される医学、生物学用語で、その意味は「なんらかの刺激が体に加えられた結果、体が示したゆがみや変調」のことを言います。この概念はカナダの世界的な生理学者ハンス・セリエ博士が、1936年、「ネイチャー」に「ストレス学説」として発表したことから、使われるようになりました。

 

現在ではあまり厳密に区別されずに使われていますが、当初は、ストレスという言葉と、その原因となる刺激ストレッサーという言葉は区別して使われていました。たとえば、ゴムボールを力強くにぎると、ボールは圧迫されゆがんだ状態になります。この状態がストレス状態であり、このときゴムボールを強く握っている指がストレッサーということになります。指を離せば、ボールは元の状態に戻りますが、抑えつけたままだとゴムボールはいつまでもゆがんだままです。体にストレスがかかるとは、まさにこのゴムボールのようにゆがんだままの状態が継続されているということです。

 

 

【ストレスの原因】

 

ストレッサーは、大きくは4つに分けられます。

 

1.物理的ストレッサー高温や低音による刺激、放射線や騒音による刺激など。

2.化学的ストレッサー酸素の欠乏・過剰、薬害、栄養不足など。

3.生物的ストレッサー病原菌の侵入など。

4.精神的ストレッサー人間関係トラブル、精神的な苦痛、怒り・不安・憎しみ・緊張など。


この4つのストレッサーが複合的に関係してわたしたちのストレスとなっています。とくに通常、「ストレスがたまっている」と感じ、人を悩ませているのは最後の精神的ストレッサーでありましょう。以下にいくつかのストレスの原因をまとめてみました。

 

 

・仕事や学校

 

会社では様々な年齢の人間が集まって仕事をしています。そんな人間関係の中でストレスを感じることは多いと思います。また、仕事のノルマがストレスになったり、自分の能力以上の仕事内容を求められてストレスになることもあるでしょう。自分のペースで仕事を進められないのはかなりのストレスになるはずです。また、転勤や部署替え、転職などでこれまでと違った環境で仕事をする場合も、不安や心配でストレスになる場合がります。

 

また、学生の場合も、学校での人間関係をはじめ、成績や受験、将来の就職のことなど、常に大きなストレス環境にあります。また、いじめによる極度のストレスに悩む学生や、親の都合で転校しなければならなくなった場合、新しい学校に対する不安なども大きなストレスとなっています。

 

 

・家庭、育児

 

家庭や家族関係がうまくいっていなければ、それは大きなストレスになることでしょう。本来家庭は一番の安らぎの場であるはずです。そこがストレスの場となれば、本当に休まる場所がありません。育児に関してもそうです。育児ノイローゼという言葉がありますが、育児の問題を一人で抱え込んでしまうとストレスなどとは言っていられない状況になってしまいます。

 

家事を協力してほしいのに誰も手伝ってくれないとか、自分一人で子育てしているとか、自分の時間が欲しいのに持てないとか、家庭の中でもストレスの原因があります。

 

 

・人間関係

 

人間関係というのは、難しいものです。どうしてもストレスを感じてしまうことが多くなります。人間関係のストレスが極度に大きくなると、引きこもりがちになったり、家から出られなくなってしまう人もいます。これは大きな社会問題になっています。ところで、この引きこもりという現象は、他の諸外国にはあまりみられない現象のようです。これは、日本人は人からどう思われているのだろうかということを過度に気にしすぎる傾向があるからかもしれません。完璧な人間はいません。ありのままの自分を受け入れて、等身大の自分を生きることが大切なのではないでしょうか。

 

 

・生活の急激な変化

 

引越や転勤、転職などでいきなり環境が変わってしまった場合、生活のリズムもかなり変化しまし、新しい環境に慣れるまで、相当のストレスを感じるものです。変化に慣れてしまえばなんのことはないことでも、慣れるまでの間は精神的に辛いものになります。

 

 

・パソコン

 

パソコンがストレスの原因と聞くと、若い人たちは首を傾げたくなるかもしれません。しかし、パソコンはあらゆる分野で急激に普及し始めたために、パソコンのスキルがなく、パソコン自体がストレスになることが少なくないのです。パソコンのストレスが原因で、抑鬱やイライラ、めまいや肩こりの症状が出る場合もあるようです。

 

また、これとは逆に、パソコンが大好きで、パソコンに没頭するあまり、精神的な失調症になってしまうケースもあります。パソコンをしているとそれに没頭してしまい、人付き合いが面倒になったり、パソコンがないと不安で仕方がなくなったりし、パソコンができないということがストレスになります。

 

 

・運動不足

 

現代人のストレスの背景に、運動不足があると指摘する人もいます。仕事や人間関係などで、頭はフル回転で働いているのに、それに比較して体を動かすことが極端に少なくないのです。そうしますと、1日の終わりには脳には疲労がたまっているのに、体は疲れないという疲労のアンバランスが生まれます。

 

疲労のアンバランスが生まれると、睡眠が浅くなってしまい、体も心も疲労が蓄積し、ストレスにも弱くなります。これがひどくなると、うつ病の原因ともなります。

 

 

・食生活の乱れ

 

食事とストレスも深く関係しています。食生活が乱れ、栄養不足になると、脳にも栄養がいきわたらなくなり、その結果脳の働きがにぶくなります。すると、気分が落ち込んだり、イライラしたりとストレスが蓄積されていきます。

 

 

【ストレスの種類】

 

ストレスを分類すると、いくつかのグループに分けることができます。

 

 

① 精神的ストレス


精神的なストレスでは、恋愛がうまくいかない、夫婦仲が良くない、離婚、家族の死、病気や将来への不安、挫折や失敗など、さまざまなものがあります。人間が本能的にもっていも恐怖や怒りも精神的なストレスです。

離婚などのように、すぐに解決できない場合もあり、長くかかればかかるほどストレスの度合いも大きくなってしまいます。

 

② 物理的ストレス


物理的なストレスは、季節の変化や風邪などのウィルスなどから受けるストレスや、冷房や暖房による暑さや寒さなどのストレス、また、転勤などで生活している場所が変わることによって起こるストレス、飛行機に乗った時など、気圧の変化も環境からくる物理的ストレスとなります。

 

花粉症で辛い思いをしている人は、症状が出る前でも、「今年もそろそろ花粉症の季節だ」と思うだけでストレスになってしまうことでしょう。禁酒や禁煙の努力をしている人は、飲みたい、吸いたいという気持ちを強く抑えることでもストレスになります。またタバコに関して言えば、喫煙者でないの人が、喫煙者のたばこの煙を吸わされるとストレスを感じます。これらはみな、物理的なストレスです。

 

 

③ 社会的ストレス

 

社会的なストレスというのは、会社で上司とうまくいかないとか、男性からのセクハラを受けたなど、社会との関係の中で生じるストレスです。わたしたちは、通常社会と関係を持たずに生活するこはできないので、社会的ストレスは常に身のまわりにあると言えるかもしれません。

 

 

【ストレスはすべて悪か】

 

アメリカのある心理学者が、ストレス(刺激)がまったくない部屋で過ごすと、人間はどうなるかを調べる実験を行いました。この実験は、精神的にも肉体的にも全く健康な一人の人間に、何もない真っ白な部屋で、音もまったく聞こえない完全に外部からの刺激が存在しない状態で過ごしてもらうというものでした。すると、その人は次第に落ち着かなくなり、体温調節機能が低下し、徐々に正常な意識が保てなくなったというのです。また、暗示に非常にかかりやすくなったという報告もありました。実際、刺激(ストレス)から隔離してマインドコントロールし、社会的に問題になった例はいくつもあります。つまり、この結果からわかったことは、体と心のバランスを保つためには、適度なストレスが必要なのだということです。

 

この世の中に生まれた以上、ストレスを避けることはできません。しかし、人は常にある程度のストレスが存在していなければ、正常に生きることはできないのだと思えば、必要以上にストレス恐れたり、絶望したりする必要がないのだと理解することもできます。

 

 

【ストレスと健康】

 

ストレスというものは、人間だけが感じているものではなく、およそ、この地上に生きているすべての生命体はみな、ストレスの中で生きています。このストレスに対し、高等動物は神経、免疫、内分泌(ホルモン)の相互作用によって、刻々と変化する外界の環境に対して、常に生体を安定した状態に維持しようとします。

 

たとえば、寒さを感じた時、交感神経が働いて末しょうの血管を収縮させ体外への熱の放散を防ぐ一方で、甲状せん刺激ホルモンの分泌が増えて体内では熱が生産され、体温の低下を防ぎます。あるいはまた、ストレスがかかると心拍数や血圧が上がります。これは身に迫る危険に対抗するために自律神経が調整した結果です。

 

しかし、外部からの有害刺激があまりにも強いと、この適応機能が破綻してしまいます。本来、ストレッサーの攻撃に対して体を防御するために分泌されるカテコラミンとコルチゾールという2つのホルモンが、過剰な形で現れてしまうのです。その結果、女性の月経周期に異常があらわれたり、免疫機能が乱れ、風邪や食中毒の感染症にかかりやすくなったり、アレルギーなどの病気を引き起こしたりするのです。

 

 

【ストレスに負けやすい4つのタイプ】

 

ストレスに対する適応力が欠けやすい人は、おもに4つのタイプに分けられます。

 

1. まじめで几帳面な人

 

完全主義者で責任感も強く努力家はストレスに負けやすい人の中で最も多いタイプです。人から頼まれたら断れず、全部自分で背負い込み、適当なところで妥協することができません。しかも、少しでもうまくいかないと落ち込んだりします。

 

 

2. 他人のミスが許せない人

 

他人の失敗に寛容になれず、どうしても許せない人がいます。人がミスをするとすぐカッとしてしまいます。するとその怒りがストレッサーとなってストレス状態を引き起こします。他人の問題で自分がストレスで苦しむのもおかしな話ですね。

 

 

3. 嫌なことをNOと言えない人

 

嫌なことをNOとはっきり断れない人は、ストレスがたまりやすいです。飲みに誘われると本当は早く帰宅したいのに断れなかったり、頼まれた仕事を断れず無理してやったり、嫌なことを無理やりするのですから、当然ストレスもたまります。

 

 

4. 心配性な人

 

いろいろなことを心配してしまう人は、心の休まる暇がありません。あれは大丈夫かな、これはうまくいくかな、などとついあれこれ心配してしまいます。こういうタイプの人は、常に不安というストレッサーにおびやかされていると言えます。 

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